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国立大学法人信州大学
繊維学部ファイバーイノベーション・インキュベーター

拠点の特徴

※黒枠で表示しているものは拠点独自の特徴です。

  • 防護服

研究概要

2022年11月1日に「防護服研究センター(Protective Clothing Research Center)」を設置。国内外の大学・研究機関や企業との連携を基盤とした防護服研究拠点であり、マテリアルの開発から衣服、評価・標準化に至る防護服研究を統合的に実施し、更に次世代の防護服研究者の育成にも貢献する「防護材料・防護服の研究開発及び人材育成拠点」としての取組を進めています。

研究者からのコメント

Fiiに設置したばかりの研究センターですが、防護服研究を横断的に実施するための体制が整っており、関係省庁、各種業界団体、海外の防護服研究機関との協力関係が構築されています。民間企業の研究開発を積極的に支援します。

研究実績

  • 2014年から公的資金や企業との共同研究による防護服研究を進め、社会実装の姿が明確な防護服研究の重要性は産業界にも高く評価され、協力企業も増加しています。
  • 防護服研究の唯一の国際学会であるヨーロッパ防護服会議のボードメンバーに任命され、留学生の受け入れ、研究者派遣などの活動を通じ、国際的な防護服の学術研究拠点として役割を果たしています。
  • 感性設計評価

研究概要

人間の「感性」を活かしたものづくり、製品設計を進めるため、材料科学、情報科学、デザイン学、心理・生理学などを融合した感性工学研究を進めています。

研究者からのコメント

人間の五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)に加え、生理学的に数多くある人間の感覚と「もの」や「こと」とのインタラクションを対象とし、さまざまな基礎研究や産学連携研究、共同開発を進めています。Fiiや繊維学部には材料系の基本的な装置群と共に、人工気候室やKES、BRDFなど関連する評価装置、試作装置も整備されています。

研究実績

  • テキスタイル(ファッション,インテリア・カーペット,タオルなど)の物性・デザインと触感・視覚・デザイン・快適性などの評価開発・製品設計
  • 自動車シートやベッド、スポーツウェア、ファッションアパレルなどの感性評価・製品設計

参考URL

https://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/textiles/department/kansei/

センターによる研究支援体制

当拠点は、国内唯一の繊維学部である信州⼤学繊維学部が⺟体となっており、その産学官連携・国際連携の窓口としての役割を担っています。

研究概要(技術相談・マッチング)

産学官連携実績の豊富な産学官連携室⻑、研究企画室⻑(繊維学部教授)をはじめ、コーディネータ、URA、事務職員が密に連絡を取り、様々なニーズに迅速に対応します。

国内外の幅広いネットワーク

当拠点が有する国内外のネットワークによる繊維・ファイバーに関する最新情報が入手可能です。(世界の繊維系大学、研究機関等と学術交流協定を締結:60機関 ※2023年2月現在)

最先端の大学設備

試作・評価のためのパイロットラインを有し、ベンチスケール溶融紡⽷機、メルトブロー不織布製造機、溶液紡⽷機はじめ繊維⽣産・加⼯・製品評価に関する機器を完備しており、特に感性評価に関しては他の追従を許しません。⼤型装置や特殊評価装置にはオペレーターがついており、利⽤サポート可能です。

プロジェクトスペース

プロジェクトスペース(レンタルラボ)を有しており、入居することで、学内に研究拠点を持ちながら大学設備をリーズナブルに利用可能です。

研究事例

「コットンとポリエステルの混紡繊維のリサイクルシステムの構築」

熱水処理によりコットンとポリエステルを分離し、個々の繊維の品質を下げずにリサイクルさせることにより、混紡布地のリサイクルを実現しました。当拠点では「リサイクルポリエステルの脱色方法」を担当し、ポリエステル含有繊維製品とその廃棄物のリサイクル促進を目的として、染色されたポリエステル繊維の新規な脱色方法を開発しました。特に、リサイクルにかかる環境負荷の低い水系での脱色法を対象としました。

連携期間、連携先

連携期間:2018年9月1日~
連携先:HKRITA(香港)、H&M Foundation(スウェーデン)、愛媛大学(日本)

成果

当拠点や愛媛大学が参加し、HKRITAとH&M Foundationのコラボレーションで小型コンテナ「衣類から衣類へのリサイクル・システム」(通称:Green Machine)が開発されました。
当システムは、コットンとポリエステルの混紡生地を完全に分離し、品質を損なうことなく、新しい繊維へと産業規模でリサイクルすることを可能としました。

活用できた拠点の特徴など、PR

国内外の大学や研究機関等、幅広いネットワークを活用しながら、経験豊富なコーディネータがプロジェクトに参加することで、効果的な研究成果をあげることができました。

NEDO課題設定型産業技術開発費助成金 国際研究開発/コファンド事業 /日本-ドイツ研究開発協力事業(CORNET)「炭素繊維のリサイクルとそれに続く3DCFRP部品製造へのアップサイクリングの研究開発」

現行の炭素繊維のリサイクル技術は、コストの割には性能が劣るダウンサイクルになっています。効率的な高品質の炭素繊維の回収とマトリックス樹脂再利用を目的としたCFRPリサイクルシステムの開発を目指しました。

連携期間、連携先

連携期間:2020年4月1日~2021年6月30日
連携先:一般財団法人浅間リサーチエクステンションセンター(AREC)、NT&I株式会社、株式会社ナフィアス(日本)/Forschungskuratorium Textil e.V.、ドレスデン工科大学(ドイツ)

成果

  • 効率的なCFRP廃材のリサイクル法と、リサイクル炭素繊維の高付加価値化応用への技術開発の大筋を確立。
  • リサイクル炭素繊維を活用して自動車あるいは他の移動体の軽量化に資するCFRTP部品製造は十分可能であることを実証。

活用できた拠点の特徴など、PR

  • 当拠点の国際的なオープンイノベーション機能を活用し、国内外の企業・大学・機関と連携しました。

サスティナブルテキスタイル~森林から循環型テキスタイルソリューションへ~

スマートバイオエコノミーに向けて繊維産業の変革を加速するためのFinnCERESと信州大学繊維学部との連携
FinnCERES Ecosysytem:https://www.finnceres.fi/join
Value chains for sustainable production, use and cycles of Textiles (Telavalue):https://telaketju.turkuamk.fi/en/projects/

連携期間、連携先

連携期間:2021年8月1日~
連携先:VTT Techinical Research Centre of Finland、FinnCERES(VTT, Aalto大学を中核とするRDIコンソーシアム)(フィンランド)

拠点からのコメント

当拠点は、繊維・ファイバーに関する試作品製造から機能評価まで行える最先端の設備を備え、また、産学官連携のノウハウを持つ経験豊かな教員やコーディネータがおり、企業の様々なニーズに応じて、大学の研究者や異業種との橋渡しを含むきめ細やかな支援をいたします。繊維・ファイバーに関する最新技術はもとより、国内外にわたる豊富かつ新しい情報、そして国内のみならず海外の繊維系大学・研究機関とのネットワークを通じた人的資源などのさらなる充実に努めています。どうぞ何でも気軽にご相談ください。

拠点詳細

【拠点名】
信州大学 繊維学部ファイバーイノベーション・インキュベーター

【住所】
長野県上田市常田3丁目15番1号

【HP】
https://www.fii.shinshu-u.ac.jp/

【連絡先】
fii@shinshu-u.ac.jp

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