拠点の特徴
研究概要
小型加速器新開発により、難治性がん患者に対するアルファ線核医学治療を実用化します。投与アルファ線医薬品の体内動態を定量的に示す、高感度測定装置を開発します。また中性子、ミューオンなどの宇宙線による半導体誤動作(ソフトエラー)の評価技術の国際標準化を目指します。
研究者からのコメント
アルファ線注射剤による体内被爆を極小化した腫瘍ピンポイント攻撃は難治性進行がん患者に福音をもたらします。これまでの加速器研究は学理追求が主でありましたが、加速器技術の社会実装を目指す、産学連携への企業参画をお願いしたいです。
研究実績
- 病院内医薬製造を可能とする小型加速器の基本設計を終了し、アルファ線医薬品の医師主導治験を2022年度開始します。
- 新規モダリティーとなるアルファ線医薬開発におけるレギュレーション諸問題の解決策につき当局との合意に至りました。
- 宇宙線ソフトエラー対策については、半導体への加速器生成中性子照射による加速試験につき、測定加速器の機種特性による変動を避けるシミュレーション算式を創出し、国際学会提案による標準化議論に着手しました。
参考URL
治験開始プレスリリースを11/25以降に提供・公開する予定です。
センターによる研究支援体制

研究支援
幹事校に共創機構があり産学連携・起業の諸機能を提供できます。
施設・設備
(国際)共同利用施設でありアルファ線核種製造、白色中性子線による半導体ソフトエラー標準測定を低料金で利用可能です。
研究シーズ
幹事校は産学連携に積極的であり広範な基礎研究部局との連携が容易になります。
人材育成
拠点は卓越大学院事業に採択され本プログラム人材の育成、企業人材との交流に注力しています。
上記以外で企業に対してPRしたい拠点の特徴
企業研究者の受入れから企業施設の設置運営までオープンイノベーションに積極的です。
拠点からのメッセージ
研究事例
半導体ソフトエラー評価技術確立
概要
多様なエネルギースペクトルを持つ中性子照射施設を用いて、地上での中性子起因ソフトエラーの発生率を求める校正技術を確立し、現行のSRAMチップに対する精度が十分であることを確認しました。
連携期間、連携先
連携期間:5年、連携先:半導体製造企業 数社
成果
実測を最小化しシミュレーション算式による標準評価法を確立しました。
活用できた拠点の特徴など、PR
地上の中性子のエネルギースペクトルを再現する中性子照射施設は世界に数箇所しかなく、高信頼を要求する半導体アプリケーションの増加に対して評価施設が不足しています。開発評価法によれば、多様な施設でのソフトエラー評価が可能となり、施設問題を解消できます。
拠点詳細
【拠点名】
大阪大学核物理研究センター
【住所】
〒567-0047 大阪府茨木市美穂ヶ丘10-1