拠点の特徴
研究概要
短寿命アルファ線核種の安定供給技術の確立により、難治性がん患者に対する標的アルファ線核医学治療の実用化を目指しています。特にアスタチン211などのアルファ線核種を用いた次世代放射性医薬品の研究開発、製造基盤整備、臨床応用までを一体的に推進しています。さらに、中性子・ミューオンなどの宇宙線による半導体誤動作(ソフトエラー)について、地上環境のみならず航空機・人工衛星・宇宙機器を含む宇宙産業への応用を視野に入れた評価技術の確立と国際標準化を目指しています。
研究者からのコメント
アルファ線核医学治療は、極めて短い飛程と高い線エネルギー付与を特徴とし、正常組織への影響を最小限に抑えながら腫瘍をピンポイントで攻撃できる革新的ながん治療法です。難治性進行がん患者に新たな選択肢を提供することが期待されています。これまで加速器研究は基礎科学の発展に大きく貢献してきましたが、現在は医療・半導体・宇宙産業などへの社会実装が強く求められています。産学連携を通じて加速器技術の新たな価値創出を進めたいと考えており、企業の積極的な参画を期待しています。
研究実績
- アスタチン211を中心とした標的アルファ線核医学治療の研究開発体制を構築し、製造・薬事・臨床開発に関する課題について関係当局との合意形成を進展。
- 半導体ソフトエラー対策では、加速器生成中性子による加速試験の標準評価法を構築し、地上環境に加え航空宇宙用途を含む信頼性評価技術として国際標準化議論を開始。
参考URL
センターによる研究支援体制

研究支援
共創機構を中心に、産学連携、技術移転、スタートアップ創出、共同研究契約支援などを包括的に提供可能です。
施設・設備
国際共同利用施設として、アルファ線核種製造設備、放射性医薬品研究環境、白色中性子線による半導体ソフトエラー標準測定設備を整備しており、企業・大学の研究者が低コストで利用できます。
研究シーズ
基礎物理、医学、薬学、工学、情報科学など幅広い研究部局との連携が可能で、放射線医療・半導体信頼性・宇宙応用まで展開できます。
人材育成
卓越大学院プログラムPQBAなどを通じて、量子ビーム科学、核医学、半導体信頼性、宇宙放射線などの分野横断型人材を育成し、企業との交流機会も積極的に設けています。
上記以外で企業に対してPRしたい拠点の特徴
企業研究者の受入れ、企業研究施設の設置、共同研究拠点形成など、オープンイノベーションを重視した柔軟な連携体制を整えています。特にアルファ線核医学治療と半導体ソフトエラー評価の両分野で、研究開発から社会実装まで一貫して支援可能です。
研究事例
標的アルファ線核医学治療の臨床実装推進
概要
アスタチン211を用いた標的アルファ線核医学治療の実装に向け、安定的な核種製造・精製体制を確立しました。本拠点で製造したアスタチンを、大阪大学医学部附属病院で実施されている医師主導治験に供給し、基礎研究から臨床応用までを一貫して支援しています。
連携期間
継続中
連携先
- 創薬企業
- 加速器メーカー
成果
医師主導治験を支える安定供給体制を構築し、製造・品質管理・輸送体制を含む実装基盤を確立しました。さらに、企業治験への展開を見据えた製造スケールアップ、品質保証体制整備、薬事戦略の準備を進めています。
活用できた拠点の特徴など、PR
大学内での核種製造から臨床現場への供給までを一体化できる体制は国内でも極めて限られています。研究段階にとどまらず、企業治験・社会実装を見据えたトランスレーショナル基盤を有する点が本拠点の大きな強みです。
半導体ソフトエラー評価技術確立
概要
多様なエネルギースペクトルを持つ中性子照射施設を用いて、地上環境に加え航空機高度や宇宙環境を想定したソフトエラー発生率評価技術を確立しました。SRAMチップを対象とした検証により高精度評価が可能であることを確認しています。
連携期間
継続中
連携先
半導体製造企業 数社
成果
実測回数を最小化し、シミュレーション算式による標準評価手法を確立しました。宇宙機器・自動運転・データセンターなど高信頼用途への適用が期待されています。
活用できた拠点の特徴など、PR
地上中性子スペクトルを再現できる照射施設は世界でも限られており、高信頼半導体需要の拡大に対して評価インフラが不足しています。本拠点の評価手法により、複数施設での一貫したソフトエラー評価が可能となり、半導体開発の効率化と信頼性向上に貢献します。
拠点詳細
【拠点名】
大阪大学核物理研究センター
【住所】
〒567-0047 大阪府茨木市美穂ヶ丘10-1
