大学を知る

名古屋大学
未来材料・システム研究所

拠点の特徴

  • ドローン無線LAN通信

研究概要

災害時等において既設の通信インフラに依存しない臨時通信システムについて検討しています。無線LAN中継機能を備えたドローンを対象エリアの上空に飛ばすことで通信路の見通しを確保し、遠隔地との無線LAN通信を実現します。

研究者からのコメント

既設の通信インフラが利用できない災害時や山間地を想定して、ドローンを飛ばして無線LANアクセスポイントを提供する研究をしています。

研究実績

  • 基本性能評価実験を実施IEEE
  • VTC(米国電気学会移動体通信国際会議)にて発表
  • パワーエレクトロニクス
  • 電気自動車
  • 電動航空機
  • ワイヤレス給電
  • モデルベース開発
  • 電源

研究概要

電気自動車や電動航空機といった移動体、並びに情報機器やサーバといった情報基盤電源等の電力変換機器であるパワーエレクトロニクスシステムの小型軽量化、高効率化を実現するため、材料、パワー半導体、受動素子、制御、全体システムといった複合的な視点から研究開発を行っています。

研究者からのコメント

40社を超える企業連携をベースに産業界からのニーズにダイレクトに応えられる開発サポート、シミュレーション・モデル構築、さらには試作評価まで幅広く対応可能です。各関連企業間の連携強化も相談可能です。

研究実績

参考URL

研究室HP(https://sites.google.com/site/nagoyapelab/

  • 環境調和型プロセス
  • 非酸化物
  • 複合アニオン
  • セラミックス
  • 低温合成
  • ナノ粒子
  • 形態制御
  • 構造制御

研究概要

本研究では、照明や電池への応用が期待される酸フッ化物の新しい合成法の開発に成功しました。従来までの酸フッ化物合成手法とは異なり、開発した手法は、毒・劇物のフッ酸を使用しない低温プロセスです。また、材料の性能は形態に大きく影響されることが知られていますが、開発した手法を用いることで、形の整った酸フッ化物ナノ粒子が合成可能です。

研究者からのコメント

環境調和型プロセスによる酸化物・非酸化物・複合アニオンセラミックス材料の合成と形態制御(0~3次元)・構造制御および構造解析を得意としています。合成・解析・評価を一貫して行い、次世代セラミックス材料の開発を目指しています。

研究実績

  • 原料や手法の開発による無機化合物の精密合成
  • 酸化物・非酸化物・複合アニオン化合物の発見とその構造解析
  • 第一原理計算による電子構造評価
  • 原子層材料の構造と機能デザイン

参考URL

http://mosada-lab-nagoya.com/

  • 磁性材料
  • 熱磁気効果
  • 機能性材料
  • 環境発電

研究概要

熱と磁性の相関現象である異常ネルンスト効果と磁性ナノ材料を活用した熱電デバイスの実現を目的とした研究を進めています。

研究者からのコメント

異常ネルンスト効果を活用した実用的な熱電発電への応用を視野に入れ、材料探索やナノ構造の導入による制御などを試みてきました。その結果、ナノ構造における異常ネルンスト効果の物理が明らかになり、熱電電デバイス応用への道筋が拓けてきました。

研究実績

  • 異常ネルンスト効果を制御・増幅する機能を有した機能性材料の探索・発見
  • 異常ネルンスト効果用いた熱電素子の試作に成功                  
  • 異常ネルンスト効果用いた熱電素子のモデル化と動作の実証に成功

参考URL

  • 2次元物質
  • ナノシート
  • 液相プロセス
  • 薄膜
  • ナノコーティング
  • セラミックスコーティング

研究概要

グラフェンや酸化物ナノシートなどの2次元物質は、高速電子伝導、高誘電性、触媒活性などの優れた機能を発現し、機能性薄膜への応用が進められています。我々は、安価で簡便な室温・水溶液プロセスにより、ナノシートをコーティングし、高品位薄膜を製造する技術を開発しました。

研究者からのコメント

我々のプロセスでは、従来の薄膜プロセスの主流である真空製膜装置や高価な装置を利用せず、室温・水溶液プロセスで様々な基材へのセラミックスコーティングが可能です。

研究実績

透明導電膜、絶縁膜・誘電体膜、光触媒膜、腐食防止膜など各種コーティングへの応用

参考URL

  • ワイヤレス電力伝送
  • 窒化ガリウム
  • GaN
  • EV給電
  • ドローン給電
  • 高周波

研究概要

ワイヤレス電力伝送システムの基盤技術として、システムの小型化、高効率化、大電力化を実現する高品質窒化ガリウム(GaN)デバイスによる縦型MOS FET、HEMT、マイクロ波整流素子、さらにそれらGaNデバイスを用いた回路技術の研究開発を行っています。

研究者からのコメント

MHz帯スイッチング回路技術、マイクロ波回路技術、さらに将来的にそれら回路システムの高度化、差別化につながるGaNデバイスについて一貫した産学連携体制の構築が可能です。

研究実績

  • 未来材料・システム研究所のクリーンルーム実験棟において、GaN基板上の縦型GaNデバイス、HEMTの試作プロセスを開発
  • GaNパワー半導体の特性を活かした13.56MHz駆動のコンバータを開発
  • マイクロ波帯ワイヤレス電力伝送用途で期待される受電用途のGaN整流素子を開発
  • マイクロ波帯ワイヤレス電力伝送用途で期待される高効率GaN HEMTパワーアンプを開発

参考URL

  • 材料機械特性
  • 水素脆性
  • ナノ物性
  • 透過電子顕微鏡
  • オペランド計測

研究概要

本研究では、反応科学超高圧電子顕微鏡中でミクロンスケールでの異種材料接合界面の剥離破壊特性測定及び観察を同時に行い、水素ガス中においては真空中よりも強度が低下し、界面形状依存性(通常のマクロ破壊法則の破綻)の存在を初めて定量的に確認しました。

研究者からのコメント

反応科学超高圧電子顕微鏡はガス環境下でのナノレベル物性測定・構造観察の可能な本学が誇る装置です。これまで触媒、電池材料のオペランド計測、水素吸蔵、半導体中の欠陥、宇宙塵の分析などの幅広い分野に無二の貢献を続けています。

研究実績

  1. Y. Takahashi, S. Arai, Y. Yamamoto, K. Higuchi, H. Kondo, Y. Kitagawa, S. Muto, N. Tanaka, “Evaluation of interfacial fracture strength in micro-scale components combined with high-voltage environmental electron microscopy”, Experimental Mechanics, Vol. 55, 2015, pp. 1047-1056 (DOI: 10.1007/s11340-015-0008-2).
  2. H. Tanaka, K. Orita, A. Maede, H. Ishikawa, M. Miura, S. Arai, T. Higuchi, S. Ohta, S. Muto, “Dynamics of Rh Nanoparticle Surface Structure during NO Reduction Revealed by Operando Transmission Electron Microscopy” Applied Catalysis A: General, 118334, online (2021) https://doi.org/10.1016/j.apcata.2021.118334
  3. Y. Igami, S. Muto, A. Takigawa, M. Ohtsuka, A. Miyake, K. Suzuki, K. Yasuda, A. Tsuchiyama, “Structural and chemical modifications of oxides and OH generation by space weathering: Electron microscopic/spectroscopic study of hydrogen-ion-irradiated Al2O3” Geochimica et Cosmochimica Acta, 315, 61-72 (2021) https://doi.org/10.1016/j.gca.2021.09.031
  4. F. Gualandris, S. B. Simonsen, J. B. Wagner, S. Sanna, S. Muto, L. Theil Kuhn, , “In situ TEM analysis of a Symmetric solid oxide cell in oxygen and vacuum-cation diffusion observations” ECS Transactions, 75(42), 123-133 (2017)DOI: 10.1149/07542.0123ecst

参考URL

  • 窒化物半導体
  • GaN
  • AlN
  • InN
  • パワーデバイス
  • 高周波デバイス
  • LED
  • LD
  • 紫外LED
  • μLED
  • フォトカソード
  • HVPE法
  • MOVPE法
  • レーザ剥離
  • 電気化学エッチング
  • Mgイオン注入
  • 多光子励起顕微鏡

研究概要

窒化物半導体による、パワーデバイス、高周波デバイスの創生およびLEDやLDにおける発光波長領域の拡大を行っています。

研究者からのコメント

パワーデバイスにおいては、新規結晶手法を用いた高速エピ技術の確立による実用化技術の構築を目指しています。光デバイスにおいてはデバイス構造、結晶品質、デバイスプロセス、パッケージなど多角的な面からデバイス品質の向上を目指しています。

研究実績

  1. Detailed study of effects of duration of pre-AlN-growth trimethylaluminum step on morphologies of GaN layers grown on silicon substrate by metal organic chemical vapor deposition, Koji Matsumoto, Toshiaki Ono, Yoshio Honda, Satoshi Murakami, Maki Kushimoto and Hiroshi Amano, Japanese Journal of Applied Physics, Volume 57, Number 9, 091001 (2018)
  2. Origin of acceptor diffusion into silicon substrate during GaN growth by metal organic chemical vapor deposition, Koji Matsumoto, Toshiaki Ono, Yoshio Honda, Kazuhisa Torigoe, Maki Kushimoto, and Hiroshi Amano, Japanese Journal of Applied Physics 58, 075502 (2019)
  3. NEA半導体フォトカソードへの応用を目指したGaN系半導体の量子効率および耐久性の研究 , 佐藤大樹 , 西谷智博, 前川拓也, 本田善央, 天野浩 , 電子情報通信学会技術研究報告 巻: 114 号: 202 ページ: 49-54 発行年: 2014年08月28日
  4. Vertical GaN p+-n junction diode with ideal avalanche capability grown by halide vapor phase epitaxy editors-pick, Kazuki Ohnishi, Seiya Kawasaki, Naoki Fujimoto, Shugo Nitta, Hirotaka Watanabe, Yoshio Honda, and Hiroshi Amano, Appl. Phys. Lett. 119, 152102 (2021)
  5. Halide vapor phase epitaxy of p-type Mg-doped GaN utilizing MgO, Kazuki Ohnishi, Yuki Amano, Naoki Fujimoto, Shugo Nitta, Yoshio Honda and Hiroshi Amano, Applied Physics Express, 13, 6, 1007 (2020)

Reduction of Dislocations in GaN on Silicon Substrate Using In Situ Etching
Koji Matsumoto,Toshiaki Ono,Yoshio Honda,Tetsuya Yamamoto,Shigeyoshi Usami,Maki Kushimoto,Satoshi Murakami,Hiroshi Amano

センターによる研究支援体制

本拠点は3つの附属施設を有し、共同利用・共同研究拠点の機能を発揮しています。超高圧電子顕微鏡施設は、世界で唯一の反応科学超高圧走査透過電子顕微鏡に代表される先端的顕微鏡群をもち、観察技術の高度化や人材育成などに取り組んでいます。先端技術共同研究施設は、微細加工装置や分析装置などの先端的装置群を活用した、半導体表面・デバイスの最先端研究などを推進しています。エネルギー変換エレクトロニクス実験施設は、世界唯一の窒化ガリウム研究拠点として、オープンイノベーションのための新しい産学官連携研究開発体制を構築し、半導体材料の結晶成長・デバイスプロセス・評価を同一スペースで実施できる大空間クリーンルームを活用した研究開発を進めています。

リサーチアドミニストレータが知財、法務、プロジェクト管理などを支援し、産学官連携研究を円滑に推進しています。また、専属技術員や研究支援員などが結晶成長やデバイス作成、試料作製、観察,画像分析など、一貫したサポートを行っています。

拠点からのメッセージ

研究事例

内閣府SIP高速スイッチング回路基板技術の開発

概要

窒化ガリウム(GaN)パワー半導体の有力な応用先として注目される高周波駆動、パワーエレクトロニクスシステムを13.56MHz/7kW条件にて実証評価を行い、将来的なワイヤレス給電システムへの適用可能性の模索、並びに提案システムの社会実装を目指します。

連携期間・連携先

2018年11月11日~2023年3月31日
SIP国立研究開発法人 科学技術振興機構

成果

研究期間をあと1年以上残し、GaNパワー半導体駆動にて13.56MHz/1kW出力の成果を実現し、大容量化に対する並列接続電源の基本高周波電源の構築を実現しました。また新しいワイヤレス給電システムの提案も行い知財化を進めています。

活用できた拠点の特徴など、PR

新しいワイヤレス給電システムが電子情報通信学会・無線電力伝送研究専門委員会が主催するワイヤレス給電コンテストにて優勝しました。高周波パワーエレクトロニクスの応用システムの受け皿を切り拓きました。

2次元物質を利用したナノコーティング技術

概要

グラフェンや酸化物ナノシートなどの2次元物質は、高速電子伝導、高誘電性、触媒活性などの優れた機能を発現し、機能性薄膜への応用が進められています。我々は、安価で簡便な室温・水溶液プロスにより、約30秒という短時間でナノシート稠密配列膜を作製する新しい技術を開発し、透明導電膜、誘電体膜、光触媒膜、腐食防止膜など機能性薄膜への応用を進めています。

連携期間・連携先

2018年4月~、自動車、電力、電子部品、素材、建材メーカー

成果

透明導電膜、絶縁膜・誘電体膜、光触媒膜、腐食防止膜など各種コーティングへ応用しました。連携企業との共同研究、NEDO先導研究プログラム、JST研究成果最適展開支援プログラム (A-STEP)で実用化研究を推進中です。

活用できた拠点の特徴など、PR

未来材料・システム研究所には、超高圧電子顕微鏡施設、微細加工プラットフォームなどがあり、ナノ材料の合成から構造評価、デバイス開発までシームレスに行えた点は、研究加速、発展の大きな原動力となりました。

Si基板上へのGaNの結晶成長

概要

Si基板メーカーのSAMCOとの共同研究において、Si基板のGaN成長用基板としての問題点を評価行っています。GaN/Si結晶成長の問題点から、デバイス作製時の問題点まで、通常用いられるサファイア基板との違いを中心に研究を行っています。

連携期間・連携先

2010年~現在、SAMCO

成果

SiとGaNの間の中間層の選定、反り・クラックの改善、Si基板へのAl、Ga等の拡散によるHEMT作製時のリーク電流等の問題の改善等、Si基板上GaNの基礎的な問題を連携して改善してきました。

活用できた拠点の特徴など、PR

MOVPE成長装置を一から立ち上げ、Siにおける結晶成長の問題点を改善しました。本装置はGaN/Si成長装置としてのデータを蓄積しており、得られる結晶はデバイス応用が可能です。

拠点詳細

【拠点名】
未来材料・システム研究所

【住所】
〒464-8601 愛知県名古屋市千種区不老町 研究所共同館Ⅰ

【HP】
https://www.imass.nagoya-u.ac.jp/

【連絡先】
insoall@adm.nagoya-u.ac.jp