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学校法人順天堂 順天堂大学
順天堂大学AIインキュベーションファーム

拠点の特徴

  • デジタルトランスフォーメーション
  • パーソナルヘルスレコード
  • 医療ビッグデータ
  • ゲノム・オミックス情報
  • モバイルヘルス
  • 患者・市民参画
  • 遠隔医療
  • セルフマネジメント
  • 病院連携の ICT 化
  • 地域コホート
  • 次世代医療機器

研究概要

眼疾患を対象にして臨床・基礎・デジタル・ゲノミクスを融合した多階層横断的研究を実践している。また、スマホアプリ型ドライアイ診断補助用プログラム医療機器やバーチャルリアリティを用いた小児弱視訓練用プログラム医療機器の社会実装に向けた開発を行っている。

研究者からのコメント

眼疾患を対象とした臨床・基礎・デジタル・ゲノミクスを融合した多階層横断的研究を実践しています。プログラム医療機器(SaMD)の研究開発をはじめとしたデジタルヘルスに関わる共同研究をお待ちしています。

【研究者の紹介】
イノマタ タケノリ
猪俣 武範

(経歴)
2006年 3月 順天堂大学医学部医学科卒業(MD)
2008年 3月 東京大学医学部附属病院臨床研修修了
2012年 3月 順天堂大学大学院医学研究科博士課程眼科学にて博士号取得(医学博士)
2012年9月 米国ハーバード大学眼科スペケンス眼研究所へ留学
2015年 6月 米国ボストン大学経営学部Questrom School of Business卒業(MBA)
2016年 12月 一般社団法人IoMT学会 代表理事
2019年 11月 順天堂大学大学院医学研究科病院管理学 併任
2019年 12月 順天堂大学医学部眼科学教室 准教授
2020年 5月 順天堂大学大学院医学研究科 デジタル医療講座 准教授 (併任)
2021年 12月 順天堂大学大学院医学研究科 AIインキュベーションファーム 副センター長 (併任)。

研究実績

  • ドライアイ研究用アプリ「ドライアイリズム」リリース
  • 花粉症研究用アプリ「アレルサーチ」リリース
  • コンタクトレンズ研究用アプリ「コンタクトダイアリー」リリース
  • ドライアイ、花粉症、眼炎症、角膜移植などに関する研究業績多数 (英語論文数85報)
  • 共同研究多数

参考URL

https://researchmap.jp/ino0521/

  • 患者・市民参画
  • ゲノム・オミックス情報
  • セルフマネジメント
  • モバイルヘルス

研究概要

アジア人の健康課題は欧米人とは異なる所が多く、かつ、あまり深く研究されていない部分が多く残されています。現在まで、以下のような見落とされがちな研究課題にフォーカスし健康寿命延伸を目指した研究を推進しています。

  • 非肥満者における代謝血管障害のメカニズム解明
  • 痩せた女性の健康課題
  • 都市部在住高齢者のフレイル・サルコペニア・認知症(Bunkyo Health Study)

研究者からのコメント

スポートロジーセンターでは、文京区の地域在住高齢者を対象としたコホート研究や痩せた女性や女性の健康に関する研究を実施し、これまで多くの企業との共同研究を推進しており、今後もさらに社会実装に向けた展開が出来ればと考えています。

【研究者の紹介】
タムラ ヨシフミ
田村  好史

(経歴)
1997年3月 順天堂大学医学部卒業
2000年10月 カナダ・トロント大学生理学教室(研究生) 
2005年3月 順天堂大学大学院医学研究科 博士課程修了
2007年4月 順天堂大学医学部内科学 代謝内分泌学講座 准教授
2016年1月 スポーツ庁 参与 (~2018年12月)
2017年7月 順天堂大学国際教養学部 グローバルヘルスサービス領域 教授(併任)
2021年4月 スポートロジーセンター・センター長補佐(併任)

研究実績

https://researchmap.jp/7000027009
プレスリリース・メディア掲載など
https://research-center.juntendo.ac.jp/sportology/research/bunkyo/
https://research-center.juntendo.ac.jp/sportology/research/corestudy/
https://research-center.juntendo.ac.jp/sportology/research/thin/

参考URL

https://researchmap.jp/7000027009
https://research-center.juntendo.ac.jp/sportology/

センターによる研究支援体制

拠点は設立2年目であり、更なる成長および産業創出の好循環を生み出すエコシステム構築のため、5つのコアプロジェクトを推進しています。5つのコアプロジェクトは、
①データ駆動型医療に向けた次世代医療エコシステムの実現
②予測、予防、個別化医療、参加型医療によるP4 Medicine※1の実現
③次世代地域医療連携による安心な社会の実現
④未来を創る次世代教育と人材育成の実現
⑤人にやさしいサステイナブルな医療の実現
※1 P4 Medicine:Predictive、Personalized、Preventative、Participatory Medicine
であり、これら5つに関連する研究についての共同研究を推進します。また、産学官民が参画する勉強会等を行うコンソーシアムを運営し、研究拠点としての基盤構築を行います。さらに、MBA保有、アプリ開発、起業経験のある教員や研究者の配置、ならびに大学間連携による多様な研究者の連携推進体制があり、産学連携に関わる迅速な支援が受けられます。

研究事例

現代社会における「健康格差」を効果的に学ぶ

概要

現代のグローバル社会において「健康格差」の広がりは懸念され、日本社会においても、その縮小が望まれている(厚生労働省,2023)。本研究では、健康の社会的決定要因(WHO, 2010)をもとに、健康格差を生む要因を効果的に学べる手法を開発する。そして国内外の健康格差の縮小へと導く実践的能力を持つ人材の育成を目指している。

連携期間、連携先

連携期間:2023年7月~現在
連携先:ウェブデザイン等開発企業、教育機関、国際支援機関

成果

健康格差を効果的に学ぶ教育手法の開発とその客観的評価による実証

活用できた拠点の特徴など、PR

次世代を担う学習者が関心を持ちやすい媒体を用いて、「健康格差」を生み出す要因について学んでいきます。学習者は、普段意識することの少ない、大きな社会構造の中に存在している困窮している人々、遠く離れた海外の社会構造の中に存在する困窮している人々について段階的に理解を深めていきます。これらの学習により、リアル社会に生じている個人の努力では変えられない不平等な社会構造に関心を持ち、一つでも誰かのためになる行動をとれる次世代が増えることで、国内外の社会がより豊かになることを目指していきます。

予測、予防、個別化、参加による次世代型ヘルスプロモーションシステムの開発

概要

高齢者のフレイル(虚弱)を包括的に計測したデータと居住地域の社会資源情報を共にAIが分析し、フレイル予防の個別アドバイスや予測を提供する「個別化健康増進システム」を開発する。同時にフレイル予防活動を動機付けるため「動く」「集う」「役立つ」に関連した活動に参加して健康マイレ-ジを獲得できる「地域連動型システム」も社会実装する。

連携期間、連携先

2024年3月~2025年3月;株式会社Ashirase(候補)

成果

高齢者の包括的フレイル評価ツールを開発中で、その精度と機能の向上を図っている。また、都内の保健生協組合員の協力を得てデータを収集し、それに基づく「個別化健康増進システム」を開発中である。

活用できた拠点の特徴など、PR

「個別化健康増進システム」の独自価値として、フレイルを包括的に評価でき、アバターが健康状態の予測を表示すること、「地域連動型システム」の価値は、健康マイレージが地域通貨として機能し地域DXにつながる点である。

歩行の画像分析から得られる歩行評価と健康関連指標との関連性について

概要

カメラの動画から取得したヒトの動きに骨格推定モデルを合わせることで簡易的に動作解析が可能となった。歩行能力の低下は加齢にともなって緩徐に進行する。簡易的に動作解析が可能になったことで、幅広い年齢と多くの対象者の歩行動画の撮像したデータによる分析と、画像解析から日常の歩行能力の低下をフィードバック可能とした。

連携期間、連携先

連携期間:2020年~
連携先:今仙電機製作所

成果

画像解析の精度を確認し、現在700名近い歩行データの解析を進めて歩容(歩き方)の特徴を明らかにしている。

活用できた拠点の特徴など、PR

定量的なデータをもとにヒトの動作の情報を大量に取得して分析が可能となった。そのデータをもとにして、運動の専門的な知識を要する理学療法士による歩行能力低下への運動指導は、健康で綺麗な歩き方を持続させる可能性がある。

Digital Transformationによる地域・職場・学校・医療機関が連携した子宮頸がん予防行動促進事業

概要

日本の子宮頸がんワクチン接種率と検診受診率は先進国の中でも低く、毎年1万人近くが罹患し約3000人が死亡しているが、女性の受診を促進する対策は十分に実施できていない。本事業は、市町村・職場・学校・医療機関をプラットホームで連携し、女性の年齢や健康行動段階に応じて、教育・勧奨・予約・受診行動を促す地域包括的プログラムを開発・実装する

連携期間、連携先

2024年-2028年 順天堂大学、北里大学、千葉大学、国際医療福祉大学、Godot.Ink. 株式会社 COCO・WA・DOCO、都道府県、市町村、中学、高校、企業、保険者、医療機関

成果

女性の知識、健康行動段階を高め、子宮頸がんワクチン接種率と子宮頸がん検診受診率を向上させ、子宮頸がん罹患者、死亡し者数を減らすることで、女性が生涯にわたり健康に生活し、望む人が子供を産める社会の実現に寄与する

活用できた拠点の特徴など、PR

本事業は2000人の女性を対象とした調査により、受診を動機付ける要因は必ずしも病気の重大さや治療方法ではなく、誰から受診を推奨されたいか、検査者が女性、説明されたい内容などが健康行動段階により異なるという結果に着目して開発します。

生成AIによる脳波判読のための自動化技術の創出

概要

脳波検査においては,画面に波形を表示して専門医師は目視で判定し言語化する.この工程をAI化するため,画像認識で広く用いられている畳み込みニューラルネットワークにより,脳波情報を特徴量に変換する.これを数値とテキストで表現することで,脳波データをテキスト情報に変換する方法を確立する.

連携期間、連携先

2023年度(2023年9月~2024年3月)株式会社Sigron・日本光電株式会社・メディカルローグ株式会社

成果

専門医が行った脳波診断を正解データとして,ほぼ全ての病名診断に対する学習を行い,同一診断の脳波、または他の診断の脳波で,診断テキストの生成を試みることのできるプログラムを作成した.てんかんの一般向けの解説記事などで学習し,正解テキストとの整合性をテキストの類似指標( BLEUやROUGE,METEOR 等)で評価した.

活用できた拠点の特徴など、PR

生成AI機能を搭載した遠隔脳波判読システムを用いた医療連携を構築し,質の向上と時間的効率化が期待できる.他の医療領域へ応用が可能となり,継続した研究に繫がる発展性を有している.

パーキンソン病患者に対するWi-Fiセンシングを用いた非接触モニタリングによる運動評価

概要

パーキンソン病では、早期診断、治療効果判定、症状進行のモニタリングに適したデジタルバイオマーカーが必要とされているが、これまでのデバイスでは、装着遵守、操作性、実用性など実臨床に用いるには課題があった。本研究ではWi-Fi電波センシングを用いた非接触モニタリングを用いて、最適なデジタルバイオマーカーを探索する。

連携期間、連携先

連携期間:2023年10月23日~2025年3月30日
連携先:ai6 株式会社(Wi-Fiセンシング技術を開発)

成果

  • Wi-Fi電波センシングを用いた非接触モニタリングを用いた測定系を構築した。
  • Wi-Fi電波センシングを用いた非接触モニタリングを用いて被検者の測定を開始している。

活用できた拠点の特徴など、PR

これまでの非接触モニタリング技術は、デバイスが高額であるため将来的に全家庭に普及させることは現実的ではないが、本研究では、家庭において広く普及しているWi-Fiを用いることで早期の社会実装が可能となることが期待される。

拠点からのコメント

人工知能 (AI), Internet of Medical Things (IoMT), デジタルヘルス等に関わる研究・開発・社会実装における産学官民連携の強化、及び産業創出の好循環を生み出す次世代医療エコシステムを形成するため、2021年12月1日付けで順天堂大学大学院医学研究科に研究センター「AIインキュベーションファーム」が発足しました。AI Incubation Farmの頭文字を取って「aif」、読み方は「アイフ」です。
「文京区本郷から世界のデジタルヘルスを牽引する共創の場の構築」を目指し、2025年4月施設開設に向けて準備を進めています。
こちらの取り組みにご参画いただける企業の皆様のご連絡お待ちしております!

採択されて良かったと感じられた点

産学連携を行う様々な拠点の取組や悩みを聞くことができ、非常に参考になりました。経済産業省の伴走支援も充実しており、知財戦略や講義などご支援いただき、活動を拡大することができました。

拠点詳細

【拠点名】
順天堂大学大学院医学研究科AIインキュベーションファーム

【住所】
東京都文京区本郷2丁目1-1

【HP】
https://research-center.juntendo.ac.jp/aif/

【連絡先】
ecosystem@juntendo.ac.jp